このところ毎日着実に1分ないし2分くらいずつ、日の入り時刻が早まってきている。きょうあたりは夕方5時過ぎの日没だけれど、ひと月後にはさらに30分近くも早まっている。冬至に向けて広がりつつある秋の夜長は、8月にCOSTCOでたまたま買った写真集『Astronomy | 365 Days』をゆったりとながめるのにはうってつけだ。

その名のとおり、全編が日めくりカレンダーのような構成で、一群の文章と美麗な天体画像や地球上の星景写真などが、一日一日とページをめくるたびに繰り出される。”THE BEST OF THE Astronomy Picture of the Day WEBSITE” というサブタイトルが示すように、本書は1995年以来毎日一点ずつ、天文学者による簡潔な解説キャプション付きで宇宙の画像を公開しているNASAの人気サイト「Astronomy Picture of the Day」(APOD)から365枚の選りすぐりを編集したものだ。APODにはさまざまなソースからの画像が掲載される。ハッブル、スピッツァー、JPLなどのNASA系はもちろん、世界中の天文台あるいはその他の関係機関によるもの等々である。

日替わりで一枚ずつ味わえる科学的なビジュアルは、最近5年間でリリースされている新しいイメージをふんだんに含んでいる。そして美しい。本文は英文だが、マクロからミクロまで神秘な宇宙の表情を伝える被写体には適度にバラエティがあって、見ているだけでもけっこう飽きない。英語がまったくダメという向きでも、かなり楽しめるはずだ。ちなみにハードカバーの表紙は、スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡によって撮影されたM31「ソンブレロ銀河」が飾る 。

Astronomy: 365 Days
Jerry T. Bonnell、Robert J. Nemiroff 他 (2006/10)
Harry N Abrams

天文書で「365日」といえば、野尻抱影著『星三百六十五夜』という随想集がよく知られている。わが家の書棚にも再発モノの文庫本が常備してあるものの、組版が美しくないので、あまり手に取っていない。しかも四分冊にされてしまっているので、いつか図書館で借りた単行本の端麗な風情などみじんもない。判型が違う文庫本とはいえ、これは愛書家にとって重要なことなのである。

『星三百六十五夜』と同様のコンセプトを科学的路線で踏襲する本書は、ブックデザインの点でも申し分なく魅せる。B5判よりひとまわり小さいが700ページ以上はある重量級の大冊だ。でもこのボリュームはまったく気にならない。

本書は同じ出版社から既刊の 『THE UNIVERSE 365 DAYS』(2003年)の続編である。他に地表の美しい画像を集めた『EARTH FROM ABOVE 365 DAYS』という本も出されているようだ。こちらも気になる。毛色が変わるが『the beatles 365 days』というもある。