年末のアキバへ。特に用というほどのことはなかったのだけれど、近く石丸電気のCDソフト売り場がかなり縮小になるらしいと聞き、銀座に楽譜を買いに行くついでに寄ってみた。

アキバの石丸電気は、学生時代からLPレコードやCDソフトを買いに通っていた。大学が隣のお茶の水だったので、週に数回は通ってよくジャズのLPを物色していたような気がする。大学生協のほうが少し安い場合もあったけれど、品ぞろえが圧倒的に違うので、ついつい物量の石丸へと足が向いた。社会人になって通勤経路から外れようとも、石丸通いはかなり長い間続いた。

万世橋・午後5時

CDが売り場の主流になってからは安価な輸入盤の在庫が群を抜き、特にクラシック部門の充実が大きな魅力だった。建物まるごと音楽ソフト売り場という店舗があったり、ジャンルによって独立したフロアがあったりで、時間がいくらあっても見飽きなかった。しかしこの10年ほどで少しずつ規模が縮小し、自然と足も遠のいてしまった。さらに小さくなるというと、どうなるのか。自分のように広く深く多ジャンルの音楽を聴きたい人間にとっては、フロア(ジャンル)を越境する楽しみを存分に味わえる一種のユートピアでさえあったのだが、未知の音楽世界を気ままに探検するという悦楽はもはや望むべくもない。

近くにできたヨドバシカメラの建物の上階にタワーレコードも入ると、たまに秋葉原には立ち寄るようにもなったけれど、石丸電気にはかつてのオーラはすでになく訪れることもなくなった。きょうは本当に久しぶりだったが、かつて「レコードセンター」と呼ばれた音楽ソフト販売の大拠点だったビルが、まるごともぬけの殻となってるのを見ると、隔世の感あり。アキバの街全体が確実に様変わりしていることを思えば、石丸の変節には何ら不思議はないのだけれど。